深酒がもたらした夢

昨晩は重いやりとりを忘れたい気持ちで、深酒をしてみる。翌日は休日ということもあり、久々に飲むズブロッカのストレートは、二日酔いしない程度の心地良い酔いをもたし、ぐっすりと就寝。そして僕は、風変わりな夢を見たのでした。
場面は、冬の室内。柔らかな陽射しが差し込む暖かなリビングです。フローリングの床に、ドテッと座る僕の姿。その膝には、可愛い純白のトイ・プードルがいます。顔を近付け、甘い香りが鼻をくすぐったと思った瞬間、プードルの長い舌が僕の鼻先を心地良く舐めます。好きだよと語りかけると、プードルも嬉しそうにククッと喉啼きしました。
戯れているうち、突然、すっくとプードルは立ち上がり、離れた一点を睨みます。目線の先は、窓の外にあり、白く動く点が二つ見えました。「連れ戻して!」。プードルが囁いたように聞こえました。僕は急いで、家を飛び出し、白い二つの点に向かって、全速力で疾走します。
家の外は、地平線の果てまで続く大草原が拡がっています。いくら走っても、白い二つの点にはなかなか近付く気配がありません。小川を飛び越え、倒木を乗り越え、息も絶え絶えで力尽きると思った瞬間、二つの点が何なのか、ようやく見えてきました。それは、トイ・プードルの子犬たちです。
やっとのことで辿り着きました。子犬たちは怯えた様子でしたが、顔を近付けると、僕の鼻先を嗅いて母親の匂いを感じとったのか、安心します。僕は二匹の顔を代わる代わる舐めてあげます。そして優しく抱き、転ばないよう注意しながら走って家に戻りました。
リビングには、プードルが心配そうに待っていました。抱きかかえて連れ帰った二匹の子犬を見せると、すごく嬉しそうです。良かった!